皆さんこんにちは、会計士Dです。
今回と次回の2回に分けて、前職の監査法人で身についたスキルについて、ハードスキルとソフトスキル両方について、書きたいと思います。
ハードスキルもソフトスキルも、1回で書いてしまおうと思いましたが、書いているうちに、結構分量が多くなってきたので、2回に分けることにしました。
今回は、身についたハードスキルについて、書きたいと思います。
会計士Dは、監査法人に5年ほど在籍していたため、職階としてはいわゆるシニアスタッフとして、インチャージ業務(監査現場で、スケジュールの全体管理から、上司・後輩・クライアントとのコミュニケーションの窓口となって、チームの中で一番先頭に立って動く立場・業務)まで経験しました。
5年間という限られた期間でも、監査業務を通じて得ることの出来た経験・スキル(特にソフト面)は、転職後も非常に役に立っているので、この点を読者の皆様にもしっかりお伝えできればと思います。
ハードスキル
今回のハードスキルに関しては、仕事をする上で当たり前というか、自然と身に付くスキルばかりですが、整理してみました。
以下、大きく3つです。
エクセル(データ加工スキル)
先ずは、マイクロソフトのエクセルです。
監査という仕事は、企業の財務諸表のチェックをします。
企業の財務諸表は、何で出来上がっているかというと、簡単にいうと、企業の日々の取引活動を数字で記録したデータ(これを簿記の世界では「仕訳」と言います)の蓄積です。
この仕訳データを元にして、日次・月次・四半期・年次といった形で、企業の財務データが出来上がります。
この財務データは、企業の売上高から利益までの計算課程が示されている損益計算書や企業の保有する資産や抱えている負債といった情報を集約した貸借対照表です。
こういった財務データを、企業のシステムからエクセルやCSVデータでアウトプットし、分析するエクセルファイルにコピーやインポートして、加工・分析していきます。
例えば、数年間並べて過年度のデータと比較して増減内容を分析したり、1つの項目(例えば売上高)の取引先別の明細データを並べて取引先毎の増減内容を分析したりします。
エクセルファイルに調書という形でまとめるため、自然とエクセルのデータ加工のスキルや書類の作成技術が身につきます。
パワーポイント
次に、パワーポイントです。
監査業務でパワーポイントを使用する場面はあまり多くなかったですが、多少使えるようになります。
一番よく使っていた場面は、監査の計画や結果の説明をクライアントに対して行う書類の形式がパワーポイントでしたので、当該書類の作成を通じてパワーポイントを使い方を覚えることができました。
とはいえ、コンサルティング会社のように、会社毎に各スライドを1から作り上げるというよりは、フォーマットの空欄部分に、監査クライアント毎の監査の主要なテーマであったり、監査手続きの結果などを記載するといったかなり定形的な使い方しかしていないため、パワーポイントを最低限使えるようになる程度のスキルでした。
会計、税務、監査の知識(修了考査)
3つ目として、修了考査を通じてブラッシュアップできる、会計、税務、監査といった知識の拡充です。
会計士試験合格後に、業務を2年ほど経験し、また、実務補修と呼ばれるカリキュラム(3年)を終えると、修了考査と呼ばれる、公認会計士として正式に登録できるようになるための試験を受けることになります。
この修了考査を合格するために、実務で経験してきた会計論点や監査論点、或いは税務の知識を、予備校のテキストや答練を受けることで復習します。
日々の業務が忙しくて、修了考査の勉強自体あまり手をつけられていない周りの知り合いも多数いらっしゃいましたが、会計士Dは復習がてら、答練だけでなく授業も受講して、知識のブラッシュアップをしました。
授業を受講することで、日々の業務の知識の復習になりましたし、講師の方々も実務の現場で実践を積まれている方々ですので、実務で直面した問題などを話していただけるので、とても興味深く聞いてました。
会計士として業務をする上で当たり前のハードスキルなのですが、この修了考査という機械で知識の復習を上手くすることが出来たと感じています。
ハードスキルを磨く上で意識したこと・心がけたこと
3つのハードスキルについてお伝えしましたが、ハードスキルを磨く上で、会計士Dとして大事にしていることを記載します。
監査法人にいる間に実践しきれなかったこともあるのですが、今の仕事でも重要と考えていることです。
先輩、後輩、同期を真似する(スキルを盗む)
特に、パワーポイントやエクセルに関しては、最低限のスキル(監査法人で言えば、演算やvlookup、pivot tableなど)はネットで調べれば身につきますが、チームメンバーの中には少し飛び抜けたエクセル加工スキルを持っている方がいたりします。
そういう人のスキルは、どんどんマネした方が良いです。
監査業務の中では、データ加工といった時間には極力時間を費やしたくないので、効率化につながるスキルは、ちょっと身につける面倒だな、と思わずに、どんどん真似して先ずは自分も使えるようにしましょう。
真似する為にも、以下の意識を持って、周りの人と積極的にコミュニケーションをとった方が良いと思います。
- 「時間がかかるなぁ」と内心思っている作業がないか振り返る癖をつける(意識する)
- チームメンバーや同僚と積極的に会話する(同じ悩みを抱えている、或いは、既に効率化していることがある)
自分にスキルが身につくと、周りの人にも還元していくことができるため、チームメンバーとの信頼関係構築にもつながります。
書籍を購入することを躊躇わない(自費を出してでも知識は研鑽させる)
次に、知識を研鑽する為の書籍購入は、あまりケチケチしない方が良いと思います。
監査法人にいた時は、自費で書籍を買うことは少なかったのですが、今は新しい分野の業務に着手するときは、書籍を購入することに糸目はつけません。
書籍では、会計基準には詳しく書かれていない、実務上の留意点や落としどころ等まで記載されている良書があります。
また、インチャージになると、会計の書籍だけでなく、税務やファイナンス、会社のビジネスに関する書籍など、様々な情報収集をするにあたって、権威のある専門書や業界紙など、書籍を参考にしながら、自分の頭の中で自分の意見を整理できることがとても重要になってきます。
専門的な書籍は決して安くないのですが、1冊持っているだけで、あらゆるクライアントやプロジェクトで活用できます。
また、書籍に立ち返る癖が付くことで、自己の知識を更に研鑽できますし、自主的に調べる癖が身につきます。
インチャージになると、上司の指示を待っているだけでは業務が立ち行かなくなります。
論点や分からないことに出くわした時は、先ずは自分で調べる、ネットで調べても分からなければ、本屋などに行って書籍に目を通して、必要とあれば購入する。
購入した書籍は全て、今後の自分の業務の中でも、自分を支えてくれる頼もしい武器となりますので、会計士Dとしては、書籍は糸目をつけないで購入して欲しいと考えます。
終わりに
以上が、監査法人で身についたハードスキルと、スキルを磨く上で意識していた点です。
最後に記載した意識していることは、ソフトスキルに近いかもしれませんが、結局はハードスキルを活かす為には、自己の意識といいますか、ソフトスキルが大切な気がしてます。
投稿でピックアップした内容以外にも、皆様の中で重要と考えているハードスキルがもしありましたら、お教えいただければ幸いです。
以上となります。次回は、ソフトスキルについて投稿させて頂きます。
会計士D
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