監査法人の業務内容・収入の実例を解説します。

会計士

皆さんこんにちは、会計士Dです。

今回の投稿では、会計士Dの前職、「監査法人」の業務内容や収入に関して、会計士Dの実例をもとにお伝えしたいと思います。

会計士Dは大学卒業後、5年間と少し、監査法人に勤務していました。

監査法人では、監査業務を通じて様々な経験を積むことが出来たと感じてます。

今回の投稿を通じて、読者の皆様の監査法人に対する理解が、少しでも深まりましたら幸いです。

記載した内容以外にも、気になる点やご質問がありましたら、遠慮なくご質問いただけますと幸いです。

この投稿が参考になりそうな方
  • 監査法人の業務内容に興味がある方
  • 監査法人の収入実態について知りたい方
  • 監査法人への就職を検討されている方

監査法人の業務内容

まず始めに、監査法人の業務内容です。

監査法人には、公認会計士や会計士試験合格者が在籍※し、お客様となる企業(クライアント)の財務諸表の監査を実施しています。

※公認会計士、会計士試験合格者の違いについては、以前に下記の投稿で説明してますので、こちらもご参照下さい。

(詳細は割愛しますが)公認会計士による監査が義務付けられている企業は、財務規模が比較的大きい企業となりますので、大企業が中心です。

監査法人は、クライアントとなる企業の財務諸表の監査を主に行い、報酬として監査報酬を得て、事業運営をしています。

監査を行う人は、監査法人に所属する公認会計士や会計士試験合格者、つまり人間なので、監査法人はある種サービス業といえるかもしれません。

監査チーム

監査法人は、クライアント毎に監査チームを組成して、1年間を通じて会計監査を行います。

監査チームの人数はクライアントの規模により大小様々ですが、比較的小規模かつ事業内容が複雑ではない会社であっても、固定の監査メンバーはだいたい4~5名になります。

一方で、売上高で数兆円規模となるような超大企業グループの監査チームの場合、日本国内だけで数十名〜百名弱、海外子会社の監査対応を行う提携ファームのメンバーも加えると数百名が関与することもあります。

会計士Dが配属されたチームの一つも、かなり規模の大きい企業グループ(売上高で数兆円規模)でしたので、日本国内だけで数十人規模の監査チームでした。

また、所属する監査チームも、1社だけではありません。

多くの人が、上場企業を数社、非上場企業を数社、少なくとも合計4〜5社くらいは、年間を通じて深く関与する監査クライアントの担当を持ちます。

一番上の職階のパートナーになると、10社を超えて担当クライアントを持つ方も珍しくありません。

会計士Dは規模の大きいグループ企業を担当していたため、当該企業グループで3社程度、その他に1社の合計4社をメインで担当していました。

業務量

続いて業務量ですが、監査は年間を通じて、クライアントの財務状況を監査します。

上場企業であれば、四半期毎に四半期報告書(期末は計算書類、有価証券報告書)という財務書類を作成・開示することが義務付けられており、計算書類や報告書は、監査法人による監査・レビューを受けることが義務付けられているため、四半期毎に忙しいタイミング訪れます。

業務量のイメージ(3月決算のクライアントの場合)

 7月、10月、1月、6月:少し忙しい
 →四半期報告書レビュー・有価証券報告書の監査対応

 4月~5月:とても忙しい:
 →期末監査対応

日本企業の場合、3月決算の会社が多いので、監査法人でいう繁忙期というのは、大体4月~5月頃を指します。

ちょうど今頃、監査法人の方々は、期末監査対応が落ち着きを見せてきて、燃え尽きている頃でしょうか笑

担当クライアントの決算期が集中していると、繁忙期と閑散期にかなりメリハリがついているため、長期休暇を取得しやすいです。その分、繁忙期は本当に忙しいです。

3月決算の会社が集中している場合、夏休みや年末年始は10日くらいの長期休暇を取得できますが、ゴールデンウィークは殆ど休みなく仕事することになります。

また、担当する企業の決算期がバラバラという場合も、繁忙期が一極集中しなくて良いのですが、繁忙期が分散してしまう分、1年を通じてコンスタントに忙しくなります。

会計士Dの場合、3月決算の会社が多く、12月決算の会社も担当した時期もありましたので、年末年始の休暇が終わると、いつの間にか6月頃になっていた、というのがあるあるでした笑

収入

最後に、収入面です。

収入面は、色々お話ができると思うのですが、今回は監査法人に在籍していた5年間のざっくり年収を簡単にお伝えします。

あくまで5年間のデータのため、スタッフ・シニアスタッフの年収であり、マネージャーといった管理職以上の年収については、お示しすることができず申し訳ありません。

ニーズがありましたら、前職の同期がちょうどマネージャーでバリバリ仕事しているので、ご質問いただけましたら今度聞いてみます。

会計士Dが在籍していた監査法人では、定期昇給と職階が上がるタイミングでの昇給がありました。

会計士Dのケースで以下収入の例を示したいと思います。

スタッフ:550万円~700万円弱

入社1年目~3年目までは、スタッフと呼ばれる一番下の職階です。

入社時点のベースが、だいたい30万円弱/月くらいで、賞与や残業代を加えると、年収が550万円~700万円弱になります。

残業時間が比較的多いので、残業代の割合も結構大きいかと思います。

2年目、3年目と時の経過とともに、業務範囲や担当クライアントも増えてくるため、残業時間も多くなっていきました。

10年くらい前は、今ほど長時間労働に対する世間の目が厳しくなかったため、繁忙期は100時間くらい残業していましたね。繁忙期の4月〜5月下旬までは、ほぼ毎日仕事でした。

シニアスタッフ:800万弱~1,000万弱

続いて、シニアスタッフ(入社してから4年目~5年目)です。

会計士登録するための、修了考査も合格し、晴れて公認会計士となる時期です。

法人によって幅がありますが、シニアスタッフになると、5万~10万/月くらいベースがアップします。

そして、主査(インチャージ)といって、監査チームの現場監督のような立場を任されたりします。

主査は、クライアント対応を窓口となって行い、パートナーやマネージャーなど上司とのコミュニケーションの時間も増え、スタッフの監査調書レビューを行うなど、年間を通じて活動量がグッと増えます。

また、管理職ではないため、スタッフ同様に残業時間に応じて残業代が支払われることから、必然的にスタッフと比べて年収が大きくアップします。

会計士Dの場合、インチャージ業務の忙しさもありましたが、クライアントの1社が過去に不正をしていたことが発覚した影響で、一時期かなり忙しかったため、2年目とかでも年収1,000万円弱になりました。

終わりに

以上、監査法人の業務内容や収入面について、お伝えさせていただきました。

監査法人に対するイメージがなんとなく湧きましたでしょうか?

会計士Dの一例にはなりますが、この他にも業務内容や収入面で知りたいことなどありましたら、遠慮なくご質問頂ければ幸いです。

ありがとうございました。

会計士D

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